建設会報いずもNo.137
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国土交通省中国地方整備局出雲河川事務所所 長小谷 哲也3建設会報いずも自分事としての斐伊川流域治水プロジェクトの推進 新年明けましておめでとうございます。皆様方におかれましては、日頃より出雲河川事務所が行う様々な取り組みに、ご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。 昨年は、国が斐伊川・神戸川の治水対策に着手してから100年の節目を迎え、これまでの先人の歩みを振り返りつつ、今年は新たな100年に向けて一歩を踏み出す年となります。 また、近年は地球温暖化に伴う気候変動の影響で豪雨が全国各地で頻発し、施設能力を超える洪水により、堤防の決壊や内水による浸水被害が多発しています。 このように、激甚化・頻発化・広域化する水災害への対応が急務となる中、これまでの河川改修やダム建設等の治水対策のみではなく、流域の地勢的・地形的特徴を踏まえ、降雨の流出抑制や氾濫源での雨水貯留など、さまざまな施策を有機的に結び付け、流域内の皆様と調整・協力しながら、流域全体で水災害による被害を軽減させる「流域治水」へと大きく施策の転換を図っています。 河川管理者等の行政機関にも時間的・予算的な制約がある中、できることには限りがあります。そのため、流域の皆様一人一人が自分事として、小さなことでもできることから「流域治水」にご協力いただければと思います。 また、地域の安全・安心を守るためには、地元に精通した建設業に携わる皆様方の役割はより大きなものとなっています。 斐伊川流域におきましても、流域全体で実施すべき治水対策の全体像を「斐伊川水系流域治水プロジェクト」として令和4年3月に策定し、毎年プロジェクトのバージョンアップを図りながら、流域の皆様と手を携え各々の取組を積極的に推進しています。 また、農地や山林などの自然環境が有する多面的な機能を活かすため、グリーンインフラの活用により、治水と環境が両立した取組も推進しています。 さらに、斐伊川流域の貴重な自然環境を活かした生態系ネットワークの形成により、大型水鳥類が舞う魅力的な流域づくり・自然再生への取組や、まちづくりと河川空間が一体となった「かわまちづくり」により地域振興と地域経済の活性化を図っています。 志津見ダム・尾原ダムについてはダム周辺地域が持つ魅力を持続的に維持・活用するため、昨年策定した新たな水源地域ビジョンをもとに、さまざまな取組を、地域の皆様方と一緒になって推進して参ります。 直轄事業においては、働き方改革の1つとして「4週8休」への取組が原則化され、若手技術者や女性技術者などの新たな担い手が増えることを期待するとともに、BIM/CIM、ICT活用や、インフラDXの推進を通じて、建設業のイメージアップと持続的な発展を期待しております。 今年一年が、皆様方にとって飛躍の年になることを祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。新年のご挨拶

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