建設会報いずもNo.137
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No.137 2024 新春号厚生労働省島根労働局出雲労働基準監督署署 長川角 洋二4 新年を迎え、心からお慶び申し上げます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。 令和6年の年頭に当たり、改めて日頃の労働基準行政への御理解と御協力に感謝申し上げます。 本年の干支は甲辰(きのえ・たつ)。干支の意味について「春の日差しが、あまねく成長を助く年」とあり、春の暖かい日差しが大地すべてのものに平等に降り注ぎ、急速な成長と変化を誘う年になる、と書かれたものがありました。これまで陰になっていた部分にも日が当たり、報われ、大きな成長を遂げることが期待できるということで、会員事業場の皆様が大きく成長される年になることを祈念いたします。 今後の労働基準行政について述べさせていただきます。 第一に、賃金の引上げについてです。 賃上げについては、物価上昇に負けない継続的な賃上げに向けて取り組むことが重要です。最低賃金については、昨年、全国加重平均で43円引上げの1,004円となり、昭和53年度に目安制度が始まって以来最大の引上げ幅となりました。島根県最低賃金は47円引き上げの904円となりました。 また、最低賃金の引上げに当たっては、特に中小企業が賃上げしやすい環境整備が重要であり、最低賃金引上げへの対応を支援するための業務改善助成金による支援を続けていきます。さらに、賃上げに向けて、各種支援策・好事例等の周知広報、下請事業者の取引環境の適正化などに取り組んでまいります。 第二に、働き方改革に関する対応についてです。 これまで時間外労働の上限規制の適用が猶予されていた一部の事業・業務について、令和6年4月から当該規制が適用となります。 このうち建設業については、災害時の復旧・復興工事を除き、一般則の時間外労働の上限規制が適用されることから、各事業者に円滑に対応いただけるよう丁寧な周知等に取り組んでまいりましたが、引き続き丁寧な対応に努めてまいります。 第三に、労働安全衛生対策についてです。 令和5年度から島根労働局第14次労働災害防止計画(略称:14次防)がスタートしました。令和5年の当署管内の建設業の労働災害は、速報値では前年に比べて減少しました。しかし、墜落・転落災害が建設業の労働災害全体の約3割を占めています。14次防の重点項目の具体的取組として、建設業においては「墜落・転落災害防止対策の充実強化」を挙げていますが、十分でない状況が窺われます。 引き続き、墜落・転落災害防止対策を重点対策とし、その他の労働災害防止対策も推進し、14次防に基づき労働災害防止対策に取り組んでまいります。 以上の施策を中心に、よりよい労働環境の整備に向けて、職員一同全力を挙げて取り組んでまいりますので、今後とも、一層の御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

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